同じレッスン数を受けているのに、グングン上達する人と少しずつしか変わらない人がいます。みなさんの近くでも「あの人は上達が早いなぁ」と言う人、いません?教師としては、生徒さんは誰でも上達させてあげたいと思っているし、そうなるよう日々工夫してレッスンをしていますが、やはりレッスンへの取り組み方で上達スピードに差はでます。


レッスンを受けに来ている方はみんな上達したい!と思っているはず。早く上達する人とちょっとずつしか変わらない人は何が違うのでしょう?色々な生徒さんを見る中で上達が早い人の特徴をピックアップしてみました。


『素直』

言われたことをそのままトライできる。上達の早い人は素直です。自分の考え・意見があるのは素晴らしいことですが、新しい事を試す前に自分のやりたい事・自分の考えと違うからと挑戦しないのはもったいないです。先生も早く上手くなってもらいたいと思っているはずなので、その時に最善と思った事を提案します。提案が受け入れてもらえない場合は他の方向からその人が納得できて上達できるテーマを探してまた教えていきますが、ちょっと遠回りになってしまいます。


『集中している』

レッスン時間の集中の度合いが上達する人は違います。他の人の事を気にしたりしない。音楽や相手、注意されていること以外に気を取られません。説明も聞き逃さずしっかり聞いています。少しずつしか上達しない方は、真剣に聞いているようで実は全然聞いていないときがある!(笑) 教えている側は聞いているかどうかだいたい分かる。怪しいときは「今、話した注意点はなんでしたか?」と生徒さん復唱してもらうように促します。すると全然違う事が出てくる。「えー、その話は今日してないよー!(笑)聞いてた?」なんて嘘みたいなことが結構よく起こる。同じ説明をすること自体は別に苦でもなんでもないですが、レッスン時間には限りがあります。同じ説明を二回すると時間が二倍かかりますよね?上達の遅い人が二回目の説明を受けている間に、上達の早い人はもう次の課題に移っているのです。


『観察している』

上達が早い人は自分と先生の動きのどこが違うのかをテーマに沿ってしっかり観察しています。脚の動かし方についてレッスンを受けているのに、お手本を見せても脚じゃなくて、ヒップの動きしか見ていなかったという人もいます。「お手本やるから脚を見ててね!」って言ったのに。(笑) そうなるともう一度同じ動きを踊って見せることになります。上でも述べたようにレッスン時間は限られているので観察しているところが的ハズレだと時間のロスになってしまいます。また他のことに必死で先生の動きを観察する余裕がない、というケースもあります。観察する余裕を生むためには次の項目が必要かも…。


『足型を覚えている』

自分の足型を覚えていないと技術的な事を指導したくてもなかなかできません。足型を全然覚えていないのにもっと雰囲気を出したいとか、キレイなアームにしたいと言われる方も多いのですが、足型を覚えていないと音楽に合わせたときに焦ってしまったり、ステップを間違えるので相手と動きが合わなくなります。そうなるとアームをキレイ使うことを意識する余裕はないですよね。他のことにチャレンジする余裕を作るためにも、まず第一段階として足型を覚えましょう。

スタンダードは足型がわからなくても相手に合わせれば踊れるから大丈夫!という方もいますが、合わせるとは、一人ひとりが踊れて初めて成立することです。本人は相手にバッチリ合わせているつもりでも実は自分でバランスが取れていなくて支えてもらっている、気づかないうちに相手にサポートしてもらっている、というのは良くあることです。相手に合わせる事と依存することは別です。先生にサポートしてもらって上手く踊れている状態を「自分の実力!」と錯覚してしまい、上手く踊れないのは相手のせい!とリーダーやパートナーに文句を言っている人も意外と多いです。

一方、上達が早い人はクラスやペアレッスンでは自分の足型だけでなく、異性の足型も覚えています。相手が教わっている時間も無駄にせず理解を深めているのです。


『同じ注意を何度も受けない』

前のレッスンで注意されたことをちゃんと覚えていて、次のレッスンでは同じ注意を受けないように練習・意識して踊る。完璧にできる必要はないですが、前回のレッスン内容が全くできていないと新しい事を教えたくても教えられません。先ほどの足型なんかもそうですね。「本当はボディアクションやコネクションとか技術的な内容やりたいけど、ステップをまだ覚えていないみたいから今日は足型の復習をしてステップを覚えてもらって内容はまた次回だなー」というのはよくあることです。
また、カップルの場合は、レッスンの受け方~競技カップル編~でも書きましたが、相手の注意されている事も良く聞き、自分もできるようになってしまいましょう。同じ注意を受けないというのはカップル単位で!です。そうすることでレッスン時間が効率よく利用できるようになります。


『レッスン以外でも練習している・考えている』

グングン上達する人は、レッスンの時間以外にも練習をしています。そして練習してみてわからない事があったらその次のレッスンで先生に聞いて理解を深めます。練習できない環境でも伸びるが早い人もいてそういう人は、ダンスのことをダンスのことノートに書いて復習する、レッスンのテーマについて上手い人の動画を観察してみたり、他の種目でも習ったことを応用できるんじゃないか?と仮説を立てて自分なりに検証する、などレッスン以外の時間でもダンスのことを考えています。練習時間や考えている時間が長ければ、上達に差があるのは当然な気もしますね!


書いてみたら意外と色々なところで差がありましたね。せっかくお金を払ってレッスンを受けているなら、少しでも早く上達したいよね。書いてみて思いましたが、同じレッスンでも上達が早い人はレッスンの受け方・利用の仕方が上手く効率よくレッスンを進めています。私も受ける側として耳が痛いところもチラホラ…(同じ注意を受けない、とかね)。お互い頑張りましょう!


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