ダンスの審査基準には絶対的なものがないという点は以前の記事でもお話しました。
審査基準を意識して練習する!その①
審査基準を意識して練習する!その②


「難しいステップができた」から次のラウンドへ進めるというわけでありません。審査員が様々な審査基準の中で総合的に判断して、次のラウンドへ進めるカップルを選びます。「できた、できなかった」「ボールがコート内に入った、入らなかった」「他の人よりタイムが早かった、遅かった」というような機械的なジャッジができない以上、「審査員の心証」がジャッジに影響してきます。


僕は審査員ではないので審査員の気持ちはわかりません。しかし、競技会で勝つ為には実際に審査員がどういう審査をする傾向があるのか知っておく必要があります。実際に審査員の方に聞いた話を少しづつまとめていきましょう。


「同じ選手を何度も見てしまう」


多くの審査員から聞く言葉です。審査員はなるべく早く点数をつけ終わりたいのです。なぜなら競技時間は約1分半しかないので、1ヒートあたりだいたい12組とすると1組あたり7.5秒!この短時間でダンスの優劣を判断する必要があるからです。もちろん良い選手からピックアップしていきます。


まずはフロアをざっと見て良さそうな組を探します。12組の中から6組前後を選ばなければならない場合、上位3組くらいはこの段階ですぐにピックアップできるそうです。最初の20秒~30秒くらいで上位3組を選び、残りの時間で下位3組を選ぶことが多いようです。


審査員はすでに点数をつけたカップルのダンスを見ている暇があるならば、他の選手を見た方が正確に時間内にピックアップが終わります。これは極端な言い方ですが、自分が点数をつけたあとは、そのカップルを見る必要はないのです。審査員の方がこんなことを言っていました。


「あの選手いいな、と思って自分のジャッジボードを見ると、すでに点数をいれてるんだよ。」
「あの選手にはもう点を入れたから他の選手を見ようと思っても、何度も目に飛び込んでくる選手がいる」


この話からわかるように単純に「1組あたり7.5秒」というわけではないんですね。目立つ選手はそれ以上に審査してもらえる時間が多くなる可能性があります。曲の長さは不変なので、だれかの審査時間が増える=誰かの審査時間が減るということになります。


同じヒートにめちゃくちゃ目立つカップルがいる場合、あなたを審査してもらえる時間がそのカップルに奪われる可能性があるということです。逆に、自分達がフロアで目立つことは他のカップルに対しても有利に働きます。技術もそうですが、如何に目立つかを考えるのも重要ということですね。


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