前回は社交ダンスとジェンダーフリーについて書いてみました。
今日は競技の場合について考えてみましょう。


現在の競技ダンスの審査基準はジェンダーフリーという考え方とは真逆といえます。男性は男性らしく、女性は女性らしくいなければ評価は高くならないのです。力強い、安定感がある、しなやか、柔らかい、スピードがある等々、、、、評価の高い動きは男女とも同じです。しかし重要視される要素は男女で異なります。


男性に求められるのは「力強さ」「パワー感」
女性に求められるのは「しなやかさ」「柔らかさ」
だと言えます。


同じような能力を持ったカップル同士を比較しても、柔らかいけど弱く見える男性と強いけど固い女性というカップルは評価が低くなりがちです。もちろん個性でもあるので、それがダメというわけではありませんが一般的に低評価となります。


例えばスタンダードにおいて、女性はしなやかに反るのに対して男性は比較的真っすぐ立ちます。男性が反っていて、女性が真っすぐというのは評価されにくいです。ラテンにおいても、一般的に男性よりも女性の移動量が多いです。男性がその場で力強くリードして、女性がそれをフォローするという形です。


現在の競技ダンスの場合は、男性と女性に既に役割が与えられているのです。これには体格、筋肉量、体重なども関係しているのではと思います。リード、フォローはお互いの体重を使って行いますので男性が女性よりも重い方がリードはしやすいです。


もちろん体格とかそういったこと以上に、長年の「男女はこうあるべき」という背景から審査基準が形成されてきたのでしょう。ジェンダーフリーという観点からみると見直されるべきなのかもしれません。


しかし、より男性らしく、より女性らしくという表現の追求から社交ダンスが発展してきたということは明白ですし、そこが社交ダンスの良い部分でもあるわけです。そういった意味では、テニスや卓球の男女混合ダブルスや、陸上や水泳の混合リレーとは全く別の性質を持っています。男性同士、女性同士ではなく、男女がペアで踊ることが肝となっているのです。


ちなみに過去記事であったように日本では女性同士で踊る競技会もあります。
女性同士で出られる競技会もある
必ずしも男女で踊らなければならないという固定概念を崩す良い試みですね。ただ、競技としての審査基準については疑問も残ります。その点についてはまた後ほど!



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