「スピンで上手く止まれないんです。どうやったら止まれますか?」という質問は多いです。ちなみに上手く止まれない理由はなんだと思いますか?と聞いてみると


「止まれないのはきっと体幹が弱いからだと思います。」
「バランスが悪いんですよ。」


というような答えが返ってきます。体幹が強くすること・バランスを良くすることは大事です。これらを鍛えることで改善されることも多いです。


今日はそれ以外の原因を考えてみます。その原因とは、ずばり「回転しすぎて止まれない」です!


止まるのが上手い人は、早めに回転を止めます。例えば、スリーステップターンで一回転する時。普通に踊ると、足を開く・閉じる・開くの3歩踊る間に一回転。


上手い人は、最初の2歩で回転は終わり。と考えます。そして残りの3歩目はラインを作りに行きます。回転量は最初の2歩で一回転せずに回転量を90度少なくします。なぜかというと残りの90度は惰性で回転してしまうからです。


この惰性の計算ができると止まるのがかなり楽になります。車を運転する時の制動距離というやつです。
運転していて急ブレーキを踏む、ブレーキを踏んだ位置より少し進んだところで止まる。ブレーキを踏んでから止まるまでに進んだ距離を制動距離と言います。車は急には止まれないですからね。


人間も似たようなもので急には止まれません。しっかり一回転回ってからピタッと止まるのは無理があるのです。そのせいで余分に身体に力が入ったり無理やりバランスをとるのでグラグラしたり、無理のある形になってしまいます。だから本当に止まりたい方向を向く前にブレーキをかける必要があるのです。


ちなみに制動距離は車のスピードが速ければ速いほど距離が長くなります。回転もスピードが速ければ速いほど惰性で回る分量が増えるので、スピードが出ているときほど回転量を少なく、ブレーキをかけるタイミングを早めにします。


「以前は上手く止まれていたのに急に止まれなくなった」という人は、練習したことにより、以前よりも回転のスピードが上がった可能性もあります。回転するスピードに合わせて、回転を終えるタイミング・回転量を調節しましょう。


スタンダードでもラテンでも、歩幅が出るようになると一歩のスピードがあがります。同じ時間、例えば1秒で1m進む人と1秒で2m進む人がいたら、2m進む人は1mしか進まない人の倍のスピードで移動してるよね。ステップのカウントは同じ1拍でも進む距離が延びればスピードは自然と上がるのです。


スピードが上がるとブレーキをかけてから止まるまでに時間がかかる、だからブレーキをより早くかける必要がある。自分が上達するたびにスピードは上がり、ブレーキの計算をし直さないといけなくなります…なかなか難しいよね。


動ける人ほど「回転しすぎ」が起こりやすくなります。「えっ、こんなに少なくていいの?」っていう回転量のほうが意外とスパッと止まれたり、次の動作がスムーズにできたりします。みなさんも気を付けてみましょう!!



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