ダンス教師はティーチングとコーチング、両方の要素が必要です。


簡単に言うとティーチングは教える側が一方的に知識や方法論などの情報を与える。大学の講義みたいな感じかな。


それに対してコーチングはどちらかと言うと家庭教師的な感じ。実際にその課題に取り組んでできるようにサポートする。


ダンスを始めた初期の段階では基礎知識がない為、レッスン内容はティーチングの要素が強くなります。「ワルツは三拍子の音楽で、こういうホールドをして踊るんだよー!」と教える側が持っている知識をどんどん伝えて行きます。


レベルが高くなってくると、自分で考えて踊ることが必要になります。そうなるとコーチングの要素が強くなります。このステップは踊り方が色々あるけど、どれで踊りたいのか?このラインとこのライン、どっちが好き?など、本人のやりたいこと、好きなもの、表現したいことが実現できるようにサポートする感じですね。


ティーチングの要素が強くなりすぎるとデメリットもあります。教える側が一方的に情報ばかり与えていると、教わる側は受動的になり自分で考えなくなる傾向にあります。正解を教えるときもすぐに教えず質問し、教わる側に一度自分で考えてもらう、というふうにコーチングとミックスすることもあります。


正しい知識・技術を教えることと、教わる相手に合ったこと・相手がやりたいこと・知りたいことを教えてあげること、両方が必要なので配分が難しいですね。


生徒さんは、ティーチングが得意な先生・コーチングが得意な先生がいるのでコッソリ観察してみて、好みの教え方を選ぶといいかも。


ティーチングが得意な先生は自分の得意なやり方・上手くいったやり方を教えてくれる、俗にいう型にはめるタイプが多いです。先生と体型やカップルバランスが似ている・身体の使い方がしっくりくる場合は、こちらの方が早く上達すると思います。先生と体型・カップルバランスが違う・身体の使い方がしっくりこないのにティーチング要素ばかりだと辛いです。


コーチングが得意な先生だと疑問点やこう踊りたいという希望、カップル間での問題点などの相談がしやすいです。また先生と体型やカップルバランスが全く異なる場合でも上手く教えて貰える可能性が高いです。ただ、まだ自分のレベルが低い場合、(例えば音に合わせて踊れない、など)基本を教えなければいけないので、そういったコーチング要素が出てくることはないです。なので、そもそもコーチングが得意な先生なのか最初から推しはかることは難しいかもしれません。


ただ、昨今のダンス業界のことを考えればティーチングの価値は相対的に下がっているように感じます。意欲さえあればいくらでも無料で情報が手に入ってしまうからです。知識を得るだけならば動画のレッスンで十分なはずです。ティーチングだけ必要ならばダンスの先生はいらないかもしれません。


ここが難しいところで、動画レッスンを見て、その内容を正確に確実に実行できている人はほんの一握りだと思います。例えば「最強のナチュラルターンの踊り方!!」という動画があったとします。「内容を理解する」ところは多くの人ができると思う。でも、その内容を「実際に踊れるようになる、再現する」にはかなりの練習時間が必要です。実際に一人で練習し続ける根気、意思、精神力を持った人は非常に少ないと思う。


「必ず痩せるダイエット!!」と同じですね(笑)食事制限をして、これくらい運動をすれば痩せます!!この情報は無料で手に入る。けど実際に実行することは難しい。


とまぁこれがダンスの先生が失業しない理由の一つでもあるかなと思います。やり方を教えて終わりでなく、できるようになるまで監視し、マネジメントする、みたいな(笑)レッスンを受ける時も、今自分が受けているタイプがどちらなのか考えてみると良いかもしれませんね。



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