最近読んだ本の一文におもしろいことが書いてありました。

基本的に、新しい知識を「テスト」や「実践」で使えるようになるためには、次のような工程を経ます。

 知らない(聞いたこともない)
→知らない(聞いたことはある)
→わかったつもり(調べて一度は知ったけれど)
→わかった(口頭で、理屈も含めてアウトプットできる)
→(その知識を使って)一部できる
→(その知識を使って)過不足なくできる

この前半の3つの工程は「教育」が必要で、その後は「マネンジメント」が必要なのです。

出典:坪井信貴『才能の正体』幻冬舎(190~191ページ) 
これはダンスを自分が教わっているときや生徒さんのレッスンをしているときによく感じていたことです。


実はこのブログ内でも似たような内容を何回か取り上げています。





理解の過程を分かりやすく言葉にしていて、なるほどなぁと思いました。


よく自分達の先生は「習ったことを生徒さんに説明することで、先生もより理解が深まる」と言っていたのですが、まさに4段目の『わかった(アウトプットができる)』の段階ですね。マトアヤ生徒の皆さん、どうもありがとうございます。理解深まっていました。


あと、とてもおもしろいのが「わかった」はアウトプットができる状態のことを指す、ということ。説明できなければ、実はその一つ前の段階の「わかったつもり」なのですね。


以前から、レッスンの内容がしっかり伝わっているかちょっと心配…という場合は生徒さんに質問をし、本人の口から今日のレッスンの内容や言葉の意味、どうやって身体を使うのかなどを説明してもらっていましたが、この方法はとても有効のようです。


アウトプットする→違っていたら修正の流れを繰り替えすことでやがて理解できるようになります。ダンスノートを付けている人はアウトプットする習慣がすでに身についているので、修正さえ怠らなければ理解のスピードはとても早くなりそうです。


また前半は「教育」で後半は「マネンジメント」が必要というのもとても納得。知らないものはできないのでまずは理解してもらう。理論を理解したあと「過不足なく」できるようになるには反復練習が必要です。


反復練習ということは何度も同じことを正しく、もしくは正しくできるように修正しながら繰り返す必要があります。このときに客観的な視点から自分の姿・動作がどうなっているかを知らせて修正を促したり、どのくらい繰り返し練習する必要があるのか、今のレベルだとどの程度が「過不足なく」なのかを判断するのが先生のマネンジメントの仕事です。もちろん練習するのは本人なので本人の努力、反復練習の回数を増やすための工夫も必要です。


この反復練習をする、というのがとても大事。音楽に合わせるとできない、一曲通してはできない、方向が変わるとできない、というのは「過不足なくできる」まであと一歩の段階です。なんでできないの?と原因を考えるのも大切ですが、単純に反復練習が足りないだけということも多いです。もう少しだけ余分に反復練習をしてみましょう。


とはいえ、「わかったつもり」のまま反復練習を繰り返してしまうとかえって遠回りになってしまうこともあります。理解できた!と思ったら、先生に自分の言葉で「~ということですか?」と確認してみたり、動作を見せて確認するのがおすすめです。「そうそう!」とか「ちょっと足りないけどそんな感じ」など肯定的な反応が返ってきたら、OK!どんどん反復練習しましょう。


要領がよく速く上達する人は、この理解と確認までのスピードが速く、同じ時間で反復練習の回数を余分に稼いでいる印象です。結局は反復練習の回数を早く稼ぐのが過不足なくできるようになる、つまり覚えたテクニックを使うための方法、というわけです。抜け技・裏技的なものはないんですね~…残念。


しかし「わかった」というところまでは、アウトプットと修正をたくさんすればスピードアップができそうです。ここまでをなるべく早く終わらせられると反復練習の時間が多めに取れますね。本番の日がもう決まっている、という方は意識してみてはいかがでしょうか?


今回紹介した本は『ビリギャル』の著者である坪井さんの本で、『才能の正体』というタイトルだけあって才能とは何か?ということを心理学やご本人の経験から解説されています。紹介した部分以外も何かを教わる・教えるということに関してとても勉強になるところが満載でおもしろかったです。あとで『ビリギャル』も読んでみようかなと思います。

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